訪問販売における
宝石貴金属類(ダイヤ、パールなど)のトラブルについて

 齋藤行政書士事務所には訪問販売で宝石貴金属類を購入した方からの相談が多く寄せられています。自分から積極的に店舗に行き、購入する場合と違い、不意打ち的に勧誘が行われることが多い、訪問販売ではトラブルが多くなりがちです悪徳業者を見分けるためのポイントや被害にあった場合の対処法をお話したいと思います。

※ここでいう訪問販売とは特定商取引法に定める訪問販売のことです。宝石貴金属類についてはアポイントメントセールスでの被害が多いです。

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悪徳業者はどのようにを販売するか?
〜アナタもこのような勧誘で契約していませんか?〜

事例1
 ネット上でA社の懸賞に応募した。

 ある日、A社のBと名乗る男性から電話がかかってきた。懸賞の商品を今度、家の近くでイベントをするので取りに来てくださいということだった。電話では簡単なアンケートも行われた。アンケートに答えていると不思議とBと話が合い、話ははずんでいき親近感を覚えた。イベントに行く日を決めて、その日は電話を切った。

 イベント当日までBと電話やメールのやり取りを何回かした。
 
 イベント当日、Bと会場最寄の駅で待ち合わせ、話しながら会場に行った。

 会場に着くとまず懸賞の商品を渡された後に、展示してある宝石を見てまわることになった。

 たくさんの宝石を見て回った後に「○○ちゃんにはお得意様にしか見せない特別な宝石見せてあげるね」とBが言ってきた。そして、その宝石を持ってきて、話を聞いた。

 話を聞き終わり、「買うとか買わないとかじゃなくてネックレスとピアスと指輪だったらどれがいい?」とBが聞いてきた。私が指輪と言うと、Bはいくつか指輪を持ってきて、私に見せた。

 どれが気に入ったか聞かれ、気に入ったものを伝えると、「宝石は一生ものだし、○○ちゃんが年をとったら自分の子どもにあげて、それが代々受け継がれたら嬉しいでしょ?」などと言って、商品の購入を勧めてきた。

 私は断っていたが、Bは「月々いくらなら払える?」「月々このぐらいなら大丈夫だよね」などと買うことを前提であるかのように話を進めていった。

 何度か断っていたが、話は長時間続き、疲れてしまった。結局断りきれず、契約することになってしまった。

※ネット上で懸賞をエサにして個人情報を収集し、勧誘してくる業者がいますので気をつけましょう。安易に個人情報をばらまかないようにしましょう。


事例2
 出会い系サイトでCという女性と知り合った。何度かメールのやり取りをし、電話でも話をした。会って、デートをするようにもなりCとはどんどん仲良くなっていき、Cのことを好きになっていた。

 ある日、Cから今度Cの会社で展示会をするので遊びに来て欲しいと誘われた。私は何も買うつもりはないからいかないということを伝えると、「何か売ったりするわけじゃない。気軽に遊びに来て」と言われたので、安心したし、Cが働く様子も見たかったので、展示会にいく約束をした。

 展示会当日、Cと待ち合わせ、喫茶店で少し話をしてから展示会場に向かった。

 展示会場には宝石類やスーツが展示されていた。「スーツ着てみない?」と言われ、実際にスーツを着たりもした。

 そうしているとCの上司を名乗るDがやってきた。Dは「ネックレスの方が似合うんじゃない?」と言って、店には一つしか置いていないというダイヤのネックレスを持ってきた。Dから「一回、着けてみてよ」と言われ、着けてみた。

 Dは「このダイヤいいでしょ。結婚するときに、ダイヤを外して婚約指輪にすることができるの。素敵でしょ。結婚相手もきっと喜ぶよ」と言ってきた。Cは「もし○○クンからこんなの指輪にしてプレゼントされたらめっちゃ感動する」と言った。

 そして、私の収入はどのくらいかと聞いてきて、商品の購入を勧める流れになった。私は高額だから購入できないことを伝えるとDは「ローンなら大丈夫だよね」とさらに購入を勧めてきた。

 高額なため私は買う気になれず、悩んでいると、Cが「高いけど、○○クンに似合ってたし、買ってみようよ。私と一緒に頑張ろうよ。私を信じてよ」と言ってきた。

 それでも私はなかなかYESと言わず、時間はたっていった。

 Cがトイレのために席を立つとDが「Cは○○クンのこといつも楽しそうに話してるよ。Cのためにも買ってよ。もし買わないとCはほんと悲しい思いすると思うよ」などと言ってきた。そしてCが戻ってきた。

 それからしばらく話が続き、疲れてきたこととCを悲しませたくないという気持ちがあり、ダイヤのネックレスを購入することにした。

 展示会場を出てから、Cと食事をした。家に帰るとCから電話がかかってきて「今日はありがとう。ネックレス大切にしてね。キャンセルは絶対しないでね」と言われた。クーリングオフはできないなと思った。

 それからもCとは電話やメールのやり取りをし、デートもしたが、クーリングオフ期間を過ぎるとCからの電話やメールが減り、忙しいからと会ってくれなくなった。そして、そのうち全く連絡が来なくなってしまった。

※出会い系サイトを利用し、宝石類を販売する悪質な業者がいます。お見合いパーティを利用していることもあります。男性だけでなく女性も被害にあうケースがあるので気をつけましょう。恋愛感情を利用されると、被害あったことに気づきにくくなるので注意が必要です。


事例3

 街でアンケートをとっているという男性Eに声をかけられ、アンケートを答えた。アンケートを答え終わり、Eから「最近こっちに引っ越してきたんだけど誰も友達いなくてさ。よかったら電話番号とメルアド教えてくれない?」と言われ、Eがちょっとかっこよかったこともあり、電話番号とメールアドレスを交換した。

 その日の夜、Eから電話がかかってきて、色々と話をし、盛り上がった。その日から何度も電話やメールのやり取りをし、私はEに親近感を抱いていった。

 ある日、Eから電話でデートに誘われた。私はOKした。

 デート当日、Eと待ち合わせ、しばらく歩きながら話した後、喫茶店に入った。

 喫茶店でEは「俺宝石をデザインする仕事しているんだ。よかったら俺のデザインした宝石見てよ」と言って、指輪を取り出し、見せてきた。

 Eからはその指輪のデザインにまつわる話をいろいろ聞かされた。熱心に語るEの姿を見て、私はかっこいいなと思った。

 そんなときEは「俺がデザインした指輪 ○○ちゃんに持っていて欲しいんだ」と言って、その指輪の購入を勧めてきた。

 安かったら購入してもよいと思ったが、値段がとても高く購入を断るとEは「ちょっと待ってね。今上司に電話してもっと安く出来ないか聞いてみるから」と言って、Eの上司に電話をかけて話を始めた。話が終わりEは「20万円安くしてもいいって。これってすごいよ。○○ちゃんのために思い切って電話してみてよかったよ」と言ってきた。

 私はEに好意を抱き始めており、Eが自分のために頑張ってくれたことがうれしかった。

 Eから「ローン払っていけるように応援するし。もし払えなかったら相談にものるよ。俺を信じてよ」とも言われ、これ以上断るとEから嫌われてしまうかもしれないと思った私は、指輪を購入することにした。



※電話、出会い系など業者が消費者に接近してくる手段はいくつかありますが悪質な業者において共通していることは最初に販売目的を隠して接近してくることです。

 そして、電話やメール、デートで消費者とよい関係を築いてから店舗や展示会、デートなどに呼び出し、商品の販売を行います。

 何度も断っているのに買うまで帰らせないケースが目立ちます。ひどいケースになると何人かで取り囲み、消費者が泣いても帰らせないケースすらあります。


悪徳業者かどうか見分けるポイント

最初に商品を販売する事が目的であることを告げられましたか?

 最初に消費者と接触した際に商品販売目的であることを告げない業者は特定商取引法に違反する可能性があります。注意しましょう。


・断っているにもかかわらず勧誘を続けませんでしたか?

 悪徳業者は消費者が断っても帰らせず、しつこく勧誘を続けることが多いです。


・大幅な値引きを行いませんでしたか?

 消費者が断ると大幅な値引きを行う業者がいます。最初の販売価格が高く設定されているためこのような値引きが可能になっていると思われます。


・あなたの気持ちを利用しませんでしたか?

 消費者が担当者に好意や恋愛感情を抱いている場合、それを利用する業者がいます。利用されると消費者は断りにくくなることが多いです。


・クーリングオフを妨害しませんでしたか?

 購入した後に、「キャンセルしないで」「クーリングオフしないで」などとクーリングオフを妨げるようなことを言われませんでしたか?


・クーリングオフ期間後に急に連絡がなくなりませんでしたか?

 クーリングオフ期間が経過すると連絡の頻度が減ったような場合はキャンセルされる危険性が大幅に減るので連絡するのをやめたり、頻度を減らす業者が多いのです。


被害にあった場合の対処法

・クーリングオフ
 特定商取引法の訪問販売に該当する場合は、法律で決められた書面をもらった日から数えて8日間経つまでの間にクーリングオフできます。

 おかしいと思った場合は、すぐに書面でクーリングオフしてしまいましょう。

※訪問販売に該当するかわかりづらいケースもありますので自分ではよくわからないという方は訪問販売無料メール相談をご利用ください。

 訪問販売に該当しなくても業者がクーリングオフを設けている場合もあるので契約書をよく読んでみましょう。


※クーリングオフを担当者宛に行う人がいますがそれはやめましょう。必ず会社宛に行ってください。担当者に行うとクーリングオフ妨害にあいやすいです。

※契約してから長期間経過していても、法律で定められた書面を渡されていない場合や渡された書面に記載すべき事項が記載されていなかったり、間違いがある場合はクーリングオフできる可能性があります。

 ただし、時間が経っていると多くの場合クーリングオフを主張しても業者は認めようとしません。クーリングオフできる可能性があるからと言って必ずしも問題が解決するわけではありません。


 当事務所では解約を希望される方をサポートしています。まずはをご利用下さい。
訪問販売無料メール相談

注意!!
 業者の中には、「クーリングオフはできない」、「クーリングオフすると家族に契約したことをばらす」などと言ってクーリングオフを妨害したり、クーリングオフした後もしつこく勧誘を続け、再度契約させる業者もいます。注意しましょう。


・クーリングオフできないとき
 勧誘の問題点を指摘し、解約交渉をしていくことになるでしょう。例えば、断っても勧誘を続けるような行為は解約理由になりえるでしょう。


 被害にあわれた場合は、訪問販売無料メール相談をご利用下さい。特にクーリングオフ期間が過ぎてしまっている人はぜひ利用しましょう。自分で行動して、取り返しのつかない失敗をしてからでは遅いので、その前に一度ご相談下さい。

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