インフレに対抗する資産運用を考える

インフレから資産を守るための運用法とは?

 原油をはじめとするコモディティ価格の値上がりで私たちの生活に欠かせない商品も値上がりしています。

 わかりやすいところではガソリンなんかすごい勢いで値上がりしていますね。車を走らせるのがもったいないくらいです。スーパーでは値上がりする商品があるとともに「価格据置宣言」といった言葉も見られ、インフレが進んでいるのだなぁ と実感(ただし、テレビやパソコンのように値下がりしている物もあるからトータルで見るとそうでもないらしいが)。

 このようにインフレが進むと、インフレ前と比べて、同じ額の現金を持っていても現金の価値が下がってしまいます。インフレにより以前と同じ金額で同じ量を買うことが出来ないからです。

 インフレにより、自分の資産の価値を下げないためにどのような運用方法をとるべきなのか考えてみましょう。

投資先候補を比較する

1、株式
 株式はインフレに強い という言葉を聞いたことありませんか?確かに株式は長期で見ると物価の上昇率を大幅に超える上昇を見せており、インフレに打ち勝っています。

 しかし、原油高の影響などで企業業績が悪化するというようなニュースも出てきていますし、コモディティファンドの売り文句の一つとして、コモディティは株式や債券とはまた違った動きをするという内容のものがありますから、短期的に見れば、株式はインフレへの対策としてはあまり良い物ではないでしょう。

 例外があるとすれば、コモディティの上昇で恩恵を受ける石油会社や鉱山会社などでしょうか。

2、債券
 債券は、インフレに弱いです。

 最近、様々な国がインフレを抑えるために金利を上げているというような話を聞きませんか?インフレが進むと金利が上がりやすくなります。金利が上がると固定利回りの債券の価格は下がってしまうので債券はインフレに弱いと言えるのです。ただし、長期的に見れば、株式には到底かないませんが、債券のパフォーマンスもインフレ率を上回っています。

 ちなみに債券と同じく金利が固定される定期預金もインフレには弱いです。

3、コモディティ
 コモディティに投資していれば、商品価格上昇の恩恵を受けることが出来ます。これは当たり前ですね。

4、変動金利型の金融商品
 普通預金、MRF、MMF、個人向け国債(10年)といった金利の上昇が反映される金融商品は、インフレにそこそこ対応できると言えるでしょう。


 こうしてみると、コモディティへの投資がインフレに対応する最善の手段のように思えますが、そうとも言えません。コモディティ価格はだいぶ上昇しており、今から投資した場合、さらに上がるかもしれませんが、価格が急落する恐れもあります。

 コモディティへの投資は、今のようにインフレが騒がれる前に行ってこそ効果的であり、いまからやるのは危険が大きいような気もするのです。

 私は、インフレへの対応としては、完全に対応できるわけではありませんが、普通預金やMRF、MMFにして様子を見るのが一番無難ではないかと思います。

 普通預金などならこれから先、株式が大幅に下がることがあれば、すぐにでも株式に投資することも可能です。

 短期的に見て、今回のインフレは株式のリターンを悪化させるかもしれません。でも、長期的に見れば、株式のリターンはインフレ率を圧倒してきました。株式が大幅に下がるようなことがあれば、それは長期的に見れば、絶好の投資機会に他ならないと考えています。