インデックスファンドとETF 違いや比較

インデックスファンドとはどんな投資信託?

 インデックスファンドというのは、日経平均やTOPIXといった指数(市場平均)に連動することを目指す投資信託です。

 日経平均やTOPIXは日々のニュースにも出てくる馴染み深い指数です。インデックスファンドはこれら指数と同じような動きをしますからわかりやすいファンドといえるのではないでしょうか。

 
 インデックスファンドの売りはなんと言っても、コストの低さだと思います。コストの重要性はファンド選びのポイントにてお話しました。

 インデックスファンドの運用スタイルは指数の構成銘柄を指数と同じように買って(完全に)、持ち続けるというものです。どの銘柄を買えば儲かるのだろうというような調査をするわけでもなく、頻繁に売買するわけでもないので、信託報酬は安く、それ以外のコストについても抑えられている傾向にあります。

 ある市場に投資する際に、コストを重視するのであれば、インデックスファンドはまず注目したい存在といえるでしょう。

 しかし、残念ながら、日本では、それほどインデックスファンドの種類が多くないんですよね・・・ 日経平均やTOPIXに連動するものは多くありますが、新興市場の指数に連動するファンドはありませんし、外国市場の指数も一部を除けば、不足気味です。
 

インデックスファンドとアクティブファンド

 インデックスファンドは、指数に連動することを目的とするファンドですが、それとは逆に指数を上回る成果を目指す投資信託も存在します。それらはアクティブファンドと呼ばれます。


 インデックスファンドは、基本的にコストの分だけ指数に負けてしまいます。それに対し、アクティブファンドなら指数を上回れる可能性があるのですから、インデックスファンドより夢を見られる存在かもしれません。

 しかし、アクティブファンドはあくまで指数を上回る成果を目指しているだけであり、指数よりよい結果が出せるとは限りません。指数よりよい結果を出した勝者ファンドの裏には、指数以下の成績しか残せない敗者ファンドも存在するわけです。

 そして、勝者ファンドも長い目で見ていくと、市場の平均に回帰していき、平均的のファンドになってしまう傾向があるようです(敗者ファンドも平均に回帰していきます)。

 市場の平均といえば、それに連動するファンドがありましたよね。そうインデックスファンドです。つまり、アクティブファンドも長い目で見れば、インデックスファンドと同じような成績に?・・・ 

 いいえ、

 アクティブファンドというのは、よい成績を上げようとするためにいろいろと調査をしたり、売買を頻繁に行うなどして、コストがかかりがちです。同じ市場に投資するものであれば、インデックスファンドよりコストが高い傾向にあります。

 つまり、平均的なアクティブファンドはコストの分だけ、インデックスファンドに負けていると言えると思いませんか?

 実際、多くのアクティブファンドがインデックスファンドに負けているというデータがあるそうです。

 インデックスファンドに勝てるようなアクティブファンドを選べればよいのですが、買う段階では、どれがそのようなファンドなのか誰にもはっきりとしたことはわからないのです。未来のことが確実にわかる人なんていないのですから。

  

ETF(上場投信)って何?

 ETF(上場投信)というのはインデックスファンドの一種で、トヨタや任天堂などの個別株式と同じように、株式市場に上場していて、個別株と同じように取引できるインデックスファンドのことをETFといいます。

 TOPIXや日経平均のETFが東証に上場しています。日本で上場しているETFの種類は少ないですが、アメリカなどでは、さまざまな指数に連動するたくさんのETFが上場しています。EEMという新興国の指数に連動する物もありますよ。

 今後、日本でもさまざまなETFが上場していくはずです。
 

インデックスファンドとETFの比較

 インデックスファンドとETFをいくつかのポイントについて比較してみます。

最低投資額
インデックスファンド−1万円程度から買えるものが多数。
ETF−TOPIXや日経平均に連動するものの場合10数万円必要。

 インデックスファンドのほうが、少ない金額から買えるので、時期を分散して買いやすいです。インデックスファンドなら毎月の積み立てもラクラクですが、ETFだと1回の取引額が大きいので毎月買っていくというのもなかなか大変です。

信託報酬
 信託報酬は、ETFの方が安いです。TOPIXの場合だと、標準的なインデックスファンドとETFを比較すると0.4〜0.5%ほど違います。短い期間であれば、たいした違いではありませんが、投資時期が長いほど、大きな差が生じてきます。

取引手数料
インデックスファンド−証券会社やファンドごとに違うが無料で買えるものもあり。
ETF−証券会社ごとに通常の株式を売買するのと同様の手数料がかかる。一部、取引額によっては無料にできるところもある。

 長い目で見れば、信託報酬を安いETFを優先して購入したいところですが、最低投資額の敷居の高さからETFは買いづらいという人もいるでしょう。

 そんな方は、まずはインデックスファンドを積み立てて、ある程度の額がたまったら、売却し、そのお金でETFを買ってはどうでしょうか。つまり、インデックスファンドからETFへ乗り換えるわけです。