ファンドのパフォーマンス ベンチマークとの比較はしてますか?

一見すると良いファンドに見えても・・・

 投資信託の購入を検討する際、高いリターンを出しているファンドについつい目がいっていしまう人結構いると思います。自分も基準価額がだいぶ上がっているファンドを見ると「オッ」と思い、ついそのファンドに興味をもってしまうわけです。

 でも、そんなとき気をつけなくてはいけないのは、リターンが高いからといって、必ずしも良い成績を残しているファンドだとは限らないということです。 

 

昇りのエスカレーターに乗りさえすれば・・・

 2006年や2007年は中国株ファンドが高いリターンをあげた年でした。中国株ファンドならたいていの日本株に投資するファンドよりは高いリターンをあげていたわけです。

 だからといって、多くの中国株ファンドが良い成績を残したことになるかといえばそうは言えないと思います。

 なぜなら、一見良い成績を残していてもベンチマーク(参考指標)と比べてみると、劣っているファンドも結構存在したからです。

 そのようなファンドは、単に好調な中国市場に投資していたからリターンが高くなっただけです。ベンチマークに劣る成績を残しているファンドが良い成績を残していると言えるでしょうか?昇りのエスカレーターに乗りさえすれば誰でも上に行けるのです。

 あるファンドが良い成績を残しているかどうかを判断する上で、ベンチマークとの比較は欠かせないと考えております。

ベンチマークと比較してみると・・・

 海外のことはよくわからないのですが、日本のアクティブファンドの場合、数年の期間で見ると、ベンチマークより劣る成績のファンドがなんと多いことか。

 一見すごい成績を残していて、分配金も多く出しているようなファンドが、ベンチマークに大幅に負けている様やどっこいどっこいの様を見ているとなんだか悲しくなってきます。

 「指数にすら劣るファンドが分配金だしてんじゃねーよ(※)」と何度思ったことか。
※参考ページ 投資信託の分配金が出てもうれしくない


 HSBCなんか新興国に強いイメージがあって、実際ファンドも高いリターンをあげていますが、それぞれのファンドの設定来の成績をベンチマークと比較してみると、ロシアは勝っていますが、中国、インド、ブラジルは負けてます。この結果を意外に思う人けっこう多いんじゃないかと思います。

 アナタも自分が保有しているファンドのパフォーマンスとベンチマークとの比較してみてはいかがですか?ファンドの印象がずいぶん変わるかもしれませんよ。


参考
HSBCのファンドとベンチマークの比較(平成20年5月下旬現在)
ファンドは全て分配金込み

・HSBCブラジルオープン 対 ボベスパ指数(円換算)
ファンド64.5% ベンチマーク132.2%

・HSBCロシアオープン 対 ロシアモスクワタイムズ(円換算)
ファンド28.3% ベンチマーク16.8%

・HSBCインドオープン 対 ボンベイ100(円換算)
ファンド176.1% ベンチマーク192.8%

・HSBCチャイナオープン 対 MSCI チャイナ指数([配当込、円換算)
ファンド299.6% ベンチマーク342.1%