公民権行使の保障

　使用者は、労働者が労働時間中に選挙権などの公民としての権利の行使や公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合、拒んではいけません。権利の行使や公の職務の執行に妨げたない場合は、請求された時刻を変更することはできます。

　公民としての権利には、選挙権のほかに、被選挙権、最高裁判所裁判官の国民審査、住民投票、国民投票、行政事件訴訟法による民衆訴訟、選挙人名簿に関する訴訟、選挙人名簿の登録の申し出が含まれます。

　他の立候補者の選挙運動に協力したり、民事訴訟を起こすといったことは、公民としての権利には含まれません。

　公の職務に以下のものが該当します。予備自衛官の防衛招集や訓練召集、非常勤の消防団員の訓練召集は公の職務には該当しません。
・衆議院などの議員、労働委員会の委員、陪審員、検察審査員、法令に基づいて設置される審議会の委員等の職務
・民事訴訟法による証人、労働委員会の承認等の職務
・選挙立会人等の職務

　必要な時間は与えなくてはいけませんが、その時間は無給でもかまいません。有給にするか、無給にするかは当事者が自由に決められます。