労働基準法とはどのような法律なのだろう?
労働基準法とは、賃金、労働時間などの労働条件の最低基準を定めた法律です。
労働条件は、人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければいけません。人たるに値する生活についてですが、労働者個人のみならず、その標準家族の生活も含めて考えるべきものです。ただし、標準家族の範囲が具体的に定められているわけではありません。そのときの社会の一般通念によって範囲は変わってくるようです。
一般に、労働者は使用者と比べれば、弱い立場にあります。不利な条件を出されても、それを認めなければ雇わないと言われたら、生活のために認めなくてはいけない場合もあるでしょう。このように立場の弱い労働者ですから、法律で最低限のルールを決めて保護を図る必要があるというわけです。
ちなみに、労働条件は、労働者と使用者が対等の立場で決定すべきと労働基準法では定められています。
労働基準法で定める基準は最低基準
労働基準法で定める基準は最低基準ですから、これを下回る労働条件は許されません。下回っている部分は労働基準法の水準まで自動的に引上げられることになります。
労働協約・就業規則・労働契約のいずれも労働基準法に違反することは出来ません。
ちなみに優先順位は、
労働基準法>労働協約>就業規則>労働契約 となります。
労働基準法で定める基準は最低基準ですが、それさえ下回らなければ自由に労働条件を低下させることが出来るわけではなく、労働条件を向上させるように努力しなければいけません。
労働条件を向上させるよう努力しなくていけないわけですが、不景気による経済情勢や企業経営の悪化により、使用者と労働者の間で賃金ダウンなどの労働条件の低下を話し合うといったことを法律が禁止しているわけではありません。
「労働基準法ではこのように定められているから、今日からうちも労働基準法に合わせることにする」などと言って、労働条件を低下させるようなことを禁止しています。
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