賃金の定義
賃金、給料、手当、賞与などの名称を問わず、労働の対償(報酬)として、使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます。
賃金は、通貨による支払いだけに限られたものではありません。通貨以外で支給されるものついてもあらかじめ労働協約で支給の条件が明確に決まっているような場合は、賃金に該当します。
賃金に該当しないもの
●結婚祝金、退職手当、災害見舞金などの恩恵的な給付(労働契約、就業規則、労働協約などにより支給条件が明確になっているものは賃金となる)
●制服・作業衣など仕事をする上で必要な被服、出張旅費など企業設備の一環といえるもの
●社宅の貸与、給食など福利厚生的なもの(労働契約、就業規則、労働協約などにより支給条件が明確になっているものは賃金となる)
●休業補償、解雇予告手当
など
チップは賃金になるのか?
賃金とは、使用者から労働者に支払われるものであり、旅館従業員が客からもらうチップは、賃金には該当しません。
チップは賃金に該当しませんが、旅館従業員が、無償またはとても安い料金で、食事の支給を受けたり、旅館への宿泊を許されている場合は、これらの支給や利益が賃金になると考えられます。
ストック・オプションは賃金になるのか?
労働者に与えられるストックオプションは労働条件の一部ではありますが、ストックオプションにより得られる利益は労働基準法における賃金には該当しません。
なぜかと言うと、ストックオプションは、与えられた権利を行使するかどうか、権利を行使する場合に、行使時期や株式売却の時期をいつにするかは労働者が決めるものですから、ストックオプションにより得られる利益は、発生時期・額が労働者の判断に任されているものであるため労働の対償とは言えないものであるからということです。
ちなみにストックオプションにより得られる利益は、労働基準法における賃金には該当しませんが、税法上は、給与所得になるようです。ややこしいですね(^^;)
※ストック・オプション−会社の役員や従業員が、一定期間内に決められた価格で所属会社の株式を購入できる権利のこと。
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