街中で「絵をみて行きませんか?」と絵葉書を配り、お店に来てもらったり、展示会を開くなどして、高額(数十万円から商品によっては100万円をこえることも)な絵や版画を販売する商法。販売するために強引な勧誘やウソの説明が行われているケースがある。販売価格に比べて、原価はかなり安い。
販売価格数十万円の絵(版画)がヤフオクでは、2〜3万円でも買い手がいないということも。。。 お店での価格は人件費や家賃といった経費も上乗せされているので、オークション価格より高くなるのは、仕方ないと思いますが、それでもこの価格差は。。。
なお、価格が高くても、どうしてもその絵が欲しいという人に販売するのなら、それはそれでよいと思います。そういったケースでは、本人も解約したいとは思わないでしょうし。でも、強引な勧誘やウソの説明で、欲しくもない絵を買わせるのは、問題だと思います。
高額絵(版画)売り被害例
午後5時ごろ、街を歩いていると、女性に声をかけられ、絵画の絵葉書を見せられ、「みていくだけでも」とのことだったので、店内へ入った。
飾られている絵画を一通り説明された後に、「どの絵が気に入ったか1点選んでください」と言われ、1点選んだ。
そして、その絵と作家について以下のような説明を受けた。
●この絵を選ぶなんて、絵をみる目がある、センスがよい。
●この作家は有名です
●絵のある生活をする人は心が豊か、ここで買わないということは、アナタの心が貧しいということ
●月々1〜2万円でローンを組めるので手軽です
●後日、「購入したくなったら買いに来る」と言っても、絵との出会いは運命で今、買わないと損です
そのうち、月々のローンの話になった。何度も買わないと言ったが、断りきれず、買ってしまった。店を出たときは、午後8時を過ぎていた。
翌月、展示会に呼び出された。1点目を購入したときに説明していた担当者の上司から1回目のときと同じような説明に加え、以下のようなことを言われ、同じ作家の絵をもう1点買うことになった。
●アナタのためにわざわざ持ってきた絵です
●頼むから購入してください
それから、2ヵ月後、また、展示会に呼び出された。また買わされると思い、展示会に行くことは何度も断ったが、展示会2週間前から1日朝、夜必ず2回電話がかかってきて、断りきれず、行くことにした。
展示会では、また、絵をすすめられ、何度も断り続けたが、業者は、絵の値段を下げるなどして、勧誘をやめなかった。買うと言わないと帰れない状況だったので、買うことにした。
高額絵(版画)売り商法の被害にあいやすい人
若い人(特に男性)からの相談がよく来ます。
東京や大阪といった都会に遊びに行ったときに、声をかけられて。。。 というケースが目立つような気がします。都会に遊びに行くときは気をつけてください。都会は危険がイッパイです。
絵や版画について、よく知らない人が被害にあいやすいと思います。よくわからないから、価格が適正かどうかが判断できないのですね。
この商法に限ったことではありませんが、ハッキリと断りきれない人が被害にあいやすいです。
秋葉原に行ったときに思ったのですが、服装が地味な人、おとなしそうな人、オタクっぽい人が声をかけられやすいようです。こういった人たちは、異性と話す機会があまりないので、きれいなお姉さんに声をかけられるだけでうれしくなってしまい、相手のペースに引きずり込まれやすいのだと思います。
高額絵(版画)売り商法の被害にあわないために
●絵売り業者の店や展示会には近づかない
これが、一番です。お店のそばを通りかかって声をかけられても無視しましょう。上で、ハッキリと断りきれない人が被害にあいやすいです。 と書きましたが、普通の人が、実際に、お店の中に入って、勧誘を受けたら、買わずに出てくるのは至難の技だと思われます。
●絵(版画)について知る
知識がないと、業者の適当なセールストークにころっと騙されます。
●いらないならハッキリ断る
その絵が、気に入り、金銭的な価値は大したことがないと知った上で、買いたいのなら、買ってもよいと思いますが、いらないならハッキリと断りましょう(上に書いたように、普通の人には至難の業だと思いますが)。
高額絵(版画)売り商法の被害にあったら
特定商取引法の訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス)に該当する例が多く見られます。該当する場合は、契約してから間もないならクーリングオフしましょう。
クーリングオフ可能かどうか、微妙なケースがあるので、注意してください。
クーリングオフできない場合は、勧誘の問題点を指摘して、解約交渉していくことになるでしょう。
高額絵(版画)売り商法に多く見られる問題点
強引な勧誘・長時間の勧誘
いらない・お金がないので買えないなどと言って、断っても断っても勧誘を続けられる場合があります。
長時間の勧誘を行い、消費者の冷静な判断力を奪って、買わせる場合があります。
価値があるとカン違いさせるような説明
「この絵は値上がり確実」、「絵の価値は変わらない」などと、絵(版画)に高い金銭的価値があるかのような説明を行う場合もあります。版画の場合、販売価格は数十万円なのに、買取価格は1〜2万円というのもざらです。何枚も刷った版画に金銭的価値は期待できないと思ってください。。
過量販売
一度、購入した人に対し、2度、3度と絵(版画)を買わせるというケースがあります。
ある大手業者では、絵の合計販売価格がその人の年収をこえないように気をつけているそうです。つまり、その人の年収分までは、売っても問題ないと考えているようですね。
|