資格商法とは「資格を取れば、独立・転職に有利です」といった勧誘文句で資格講座や教材の契約をさせる商法。
資格商法で利用される資格は、行政書士や総合旅行業務取扱管理者などの国家資格だったり、業者が勝手に作った国家資格と似た紛らわしい資格だったりさまざまです。
「当社の講座を受講し、行政書士試験に合格すれば、当社と顧問契約していただき、模擬問題の作成等の業務を行なっていただきます」と言って勧誘する業者もいます(これは、内職商法にも該当しますね)。
一度、被害を受けると、名簿が流れ、他の業者から再勧誘を受けやすい(2次勧誘詐欺)のも資格商法の特徴です。
資格商法被害例
職場に行政書士教材の購入をすすめる電話がかかってきた。
制度が変わり、簡単に合格できるようになった。資格を取れば、独立開業することもできる。4回連続で不合格になった場合は、教材代金を全額返金する といったことを言われた。
不況で、給料が減り、もしものときのために資格を取っておくのもいいかと思い、契約を申し込むことにしてしまった。
実際に、勉強して、試験を受けてみると、業者が言うほど、簡単ではなかった。結局4回連続で不合格になってしまった。
業者に教材代金の返金を請求すると、所定の手続を行っていない場合は、返金できないと言われた。そんな話は、説明時には聞いていなかった。。。
最近は、「合格するまで講座を終了することはできない。講習を受けてください」というような電話もかかってくるようになった。。。
※〜回不合格になったら全額返金するといった返金保証を設けている業者も多いですが、いざ、返金を申請しようとすると、必要な書類が提出されていないなどと言って、返金を拒むケースがよく見られます。
資格商法業者が扱うことが多い資格
行政書士
旅行業務取扱管理者(旧 旅行業務取扱主任者)
第三種電気技術者主任試験
宅地建物取扱主任者(宅建)
社会保険労務士(社労士)
ワープロ検定
簿記
ビジネスコンピューティング検定
MOS(MOUS)検定
システムアドミニストレーター
※上記の資格と似た名前の業者が勝手に作った資格の教材の購入をすすめられることもあります。
資格商法の被害にあわないために
資格を取ること(勉強すること)自体は悪いことではないと思います。ただ、資格を取ったからといって、何もかもうまくいくわけでもないんですよね。
実は、資格を取ることより、資格を生かすことのほうが難しい。多くの資格商法業者は資格を取ればバラ色みたいに勧誘をしてきますが、、資格の生かし方をしっかり教えてくれる業者がどれだけいるでしょう。資格を取った後、自分はその資格をいかせるのかどうかを考えてみるのもいいと思いますよ。
また、資格を取ったら、仕事を紹介しますと言ってくる業者もいますが、世の中には、すでにその資格を持っている人は何人もいるはずです。
仕事をしてくれる人を探しているのなら、まだ資格を取っていないアナタより、既に資格を取っている人に仕事をお願いした方がいいと思いませんか?そういったことも考えてみてくださいね。
資格商法の被害にあったら
資格商法は、業者から電話がかかってきて、勧誘を受け、契約してしまったというケースが多く、たいていの場合、特定商取引法に定める電話勧誘販売に該当すると思われます。契約してすぐならクーリングオフできるケースが多いと思います。
また、資格を取れば仕事を紹介するという約束で契約したときは業務提供誘引販売に該当する可能性もあるでしょう。
クーリングオフができない場合は、勧誘時の問題点を指摘し、解約交渉していきましょう。
資格商法に多く見られる問題点
しつこく電話をかけてくる
契約するまで何度でも、電話をかけてくるケースが見られます。会社に何度も電話をかけてこられて、仕事にならず、仕方なく契約を申し込んでしまったというケースもあります。
ウソの説明・オーバートーク
「合格率の低い資格なのに、誰でも受かる」、「ウチの教材を使えば絶対に合格できる と言ったりする」
クーリングオフ妨害
電話でクーリングオフを申し出た消費者に対し、「今さらやめられない」、「一度やるといったのに、やめるのは無責任」などと言って、妨害するケースが見られます。
資格商法は、数ある悪徳商法の中でも、もっともクーリングオフ妨害が行われているのではないかと思います。
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