特定継続的役務提供って何?
エステや学習塾の契約が該当します。具体的には、以下の要件(1,2)を満たしているものが該当します。
1、以下にあげる役務の提供についての契約
A、エステティック
期間が1か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
エステティックサロンで行われる、美顔、全身美容、痩身、体型補正、脱毛など
B、語学教育
期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
電話、FAX、インターネットなどの通信手段で行われるものも含みます。
外国語の指導に限られているわけではないので、日本語の指導も含まれます。
C、家庭教師等
期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
中学校・高校・大学・専修学校・各種学校の入学試験に備えるため、小学校・中学校・高校の補修のためのもので、事業者が用意する場所以外の場所において提供されるもの
学習教材とセットで行われる郵便・電話・FAX・インターネットなどでの添削指導なども含まれます。
D、学習塾等
期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
中学校・高校・大学・専修学校・各種学校の入学試験に備えるため、小学校・中学校・高校の補修のためのもので、事業者が用意した場所で提供されるもの。ただし、指導対象者は学校の生徒に限られる。
浪人生だけが、対象の指導は対象外。ただし、高校生も一緒に対象にした指導は含まれます。
E、パソコン教室
期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
電子計算機またはワードプロセッサーの操作に関する知識または技術の教授。これに該当すれば、パソコン教室に通っているわけでなくとも該当する可能性はあります。例えば、web上のサービス提供も該当する可能性があります。
F、結婚相手紹介サービス
期間が2か月を超え、契約総額が5万円を超えるもの
結婚を希望する者への異性の紹介
※E,Fは平成16年1月1日以降の契約に適用
2、1の役務の提供を受ける権利の販売契約
特定継続的役務提供等契約を行うときは、法令で守らなければいけないルールが決められています。ルール違反の業者とは契約しないほうがいいでしょう。
特定継続的役務提供のクーリングオフ
特定継続的役務提供等契約は、クーリングオフ可能です。ただし、契約書面を受け取った日から起算して8日を経過しているときや以下のような場合は、クーリングオフできません。
A、営業のため若しくは営業として契約を締結するような場合
簡単に言うと、商売するために契約をしたような場合です。
例をあげると、
自営業者が仕事のために使う電話を、訪問してきたセールマンから勧誘を受け、購入したような場合。
B、国内の業者が、国外の消費者と契約した場合。
C、国又は地方公共団体が行う取引である場合
D、組合等の団体が、その団体の構成員に対して行う取引である場合
組合等の団体とは、
生協、農協、共済組合などの特別法による組合
公務員の職員団体
労働組合
E、事業者がその従業員に対して行う取引である場合
関連商品
役務に伴って買う必要がある商品のこと。以下のものが指定されています。
エステティックサロンの関連商品
健康食品、化粧品、石けん(医薬品は除く)、浴用剤、下着、美顔器、脱毛器
語学教育、家庭教師等、学習塾等の関連商品
書籍(テキストなど)、カセットテープ・ビデオテープ・CDなどの学習ソフト、ファクシミリ装置、テレビ電話装置
パソコン教室の関連商品
電子計算機・ワードプロセッサーとこれらの部品および附属品、書籍、磁気的方法または光学的方法により音、映像またはプログラムを記録したもの(いわゆるCD−ROMなどの磁気媒体)
結婚相手紹介サービスの関連商品
真珠、貴石、半貴石、指輪その他の装身具
関連商品も役務と一緒にクーリングオフできます。
ただし、赤字の商品は、契約書面に「使用すると、クーリングオフできなくなります」といった旨の記載があるときは、クーリングオフできません。
特定継続的役務提供等契約については、クーリングオフ期間が過ぎてしまった後でも、中途解約することが可能です。
クーリングオフ妨害を受けた場合のクーリングオフ期間の延長
つまり、クーリングオフ妨害により、クーリングオフしなかった場合、業者からあらためて「クーリングオフできる」旨が書かれた書面を渡されない限りは、ずっとクーリングオフが出来るということになります。
不実告知とは
「クーリングオフはできません」などとウソをいうこと
威迫行為とは
「クーリングオフするとブラックリストに載せる」などと言って、不安感をあおったり、困惑(戸惑い困らせること)させること
誤認とは
ウソを本当だと信じてしまうこと
クーリングオフ妨害を受けた場合の被害救済がこれまでより容易になったといえるかもしれませんが、クーリングオフ妨害があったことを証明する必要があります(業者は、クーリングオフ妨害を行ったことを認めない可能性が高いと思われます)。
このルールをうまく活用できるかどうかは、いかにクーリングオフ妨害の存在があったことを証明できるかにかかっていると思われます。