2014年01月の記事一覧

建設業許可の更新期限 いつまでに手続きすればよいのかや過ぎてしまった場合の話

 今年の4月で私が建設業許可申請業務を始めてから満5年です。建設業許可の有効期間は5年ですので最初に申請させていただいたお客様が更新を迎えるということでもあります。担当させていただくかはまだわかりませんが、今年からだんだんと更新のご依頼も増えていくのかなと思っています。更新のご依頼数に負けないように新規の建設業許可申請も頑張っていきます。

 ところで建設業許可の更新ですが、これを忘れてしまい期限を過ぎてしまうと建設業許可は失効してしまいます。また建設業許可が必要になった場合は、新規に許可申請をし直す必要があります。建設業許可番号も新しい番号で出直しです。

 許可を失効しないためには期限までに申請しないといけません。許可が出た時にもらった通知書(許可証)には許可の有効期間と下の方に小さな字で何日までに更新の申請をしてくださいということが書かれているはずです。その日付は許可が満了する日の1ヶ月前のはずです。

 注意点としては、許可申請の最終期限は小さな字で書かれている日付ではなく、あくまで許可が満了する日です。許可が満了する日までに更新申請を間に合わせることができ、無事に更新の審査が完了すればちゃんと許可は継続します。

 ですが、許可更新の審査にも日数がかかりますので、ぎりぎりの申請では、許可の満了日に新しい許可証が届きません。取引先から新しい許可証の写しを求められてもすぐには出せません。そういったことがないようにするには、許可満了日の1ヶ月前までの申請が望ましいということになりますね。
 


登記上の本店と実際の本店(本社)が違う場合の申請

 社長さんの自宅を登記上の本店としているけれど、実際に主に仕事をしているのは違う場所というケースは結構有ります。このようなケースにおいて建設業許可申請する場合、建設業の営業所は登記上の本店とすべきでしょうか?実際に仕事をしている場所でしょうか?

 このようなケースにおいては基本的に実際に仕事をしているところを建設業の営業所として申請すると考えてください。登記の有無にかかわらず、実際に建設業をやっているところが建設業の営業所となります。申請にあたり、実際に仕事をしている場所への本店登記は特に必要とはされていません。

 ちなみに書類を作る際は、私は申請者の所在地は実際に仕事をしている場所のほか、登記上の本店所在地も( )書きしています。

 
 


人工(人夫)出しは建設業じゃないのか?

 ある案件で経営経験の証明として請求書を提示したのですが、そこには工事であるとかは書かれておらず、人工○人×単価○円=△円  みたいな書き方だったので、これは建設業ではないのではないかみたいなことを言われたことがあります。

 そもそも現場で作業する人を派遣することは法律上やってはいけないことなのですが、現実には職人の方を応援に行かせたりして、上記のような請求書をの書き方をしているケースはいくつもあると思います。

 建設業とは建設工事を請け負って営業することであり、労働者の派遣は請負ではないから人工出しは建設業じゃないというような見解も聞かれますが、私は、実態で判断するべきだと思っています。

 いわゆる人工出しであっても、請負的な要素があるならそれは請負工事だと解釈して良いと思いますし、契約というのは両者の自由ですから請負の報酬を 人工○人×単価○円=△円 みたいな形で決めるのも別に自由だと思います。

 まぁ、それでも今後許可を取ろうと思っているような方はできれば一目見てこれは建設業の請求書なんだなとわかるような形で残しておかれる方がよいのかなとは思います。


許可がないのに500万円以上の工事をやってしまった場合

 建設業許可申請の際には、工事経歴書といって、許可申請する年の前年(前期)に行った許可業種に係る工事を書く書類があります。

 この工事経歴書の記載ポイントはいくつかありますが、今回はその工事経歴書に500万円以上の工事が書かれていた場合の対応です。

 許可がないと500万円以上の工事をやってはいけないことになっていますので、許可を取る前なのに500万円以上の工事経歴が出てくるというのは本来はあってはいけないことなわけです。かと言って、500万円以上の工事があったから許可は駄目だ というようにはおそらくならないはずです。

 過去にあったケースでは法律で定められた以上の金額の工事を請け負ってしまったことについての始末書を書くことで許可の申請を受け付けてもらったことがあります。故意に500万円以上の工事を何件も請け負っていたというケースではまた取り扱いが変わってくるかもしれませんが、金額の制限がわからず、法律を破るつもりはなかったのだけど、1件請け負ってしまっていた というようなケースなら始末書で多分大丈夫だと思います。
 


一日でも経営業務の管理責任者や専任技術者がかければ許可廃業?

 建設業許可の条件として、経営業務の管理責任者や専任技術者がいることが挙げられています。もし、その方たちが亡くなったり、辞めたりした場合、新しくなる人がいないと許可は廃業です。

 ところで、経営業務の管理責任者や専任技術者の方がいなくなってから、どのくらいの空白期間まで認められるのでしょうか?経営業務の管理責任者などの変更があった場合は、変更後2週間以内に届け出ることになっていますが、だからといって2週間の猶予が有るわけではないかと思います。これはあくまで変更の事実があって、それを届け出るまでの期間でしかありませんので。

 私が以前、窓口で確認した時は 1日でも空白があれば、廃業の届け出を出してください という回答をもらいました。経営業務の管理責任者や専任技術者がいて許可の条件を満たしているのだから、その人がいなくなって、新しくなれる人がいなければ許可の条件を満たしていないのだから廃業 という理屈です。

 実際にどのような取り扱いになっているか、まだこのようなケースを業務として取り扱ったのか無いのでなんとも言えないのですが、上記の回答の筋は通っていますので、やはり空白期間を開けないようにするのが確実なのだと思います。

 経営業務の管理責任者や専任技術者になれる人が1人しかないないと、突然の事態に対応できないかもしれないので(手続き次第で即日対応できなくても何とか出来る余地はあると思いますがここでは書きません)、日頃から経営業務の管理責任者や専任技術者になれる人を増やしていくよう努めていくことが大切なのかなと思います。


矛盾のない書類を作成しましょう

 建設業関係の書類を作る時ですが、各書類は独立しているわけではなく、連動していることを忘れないようにしてください。書類間で矛盾があると、指摘されて書類を受け付けてもらえません(担当者によっては見落とすことも有るみたいですが)。

 たとえば、工事経歴書の工事金額、直前3年間の工事金額の書類は数字が連動していますし、直前3年間の工事金額の合計額は財務諸表の損益計算書と連動しています。損益計算書は貸借対照表、株主資本変動計算書と連動しています。

 他にも経営業務の管理責任者証明書や実務経験証明書は、略歴書などと連動しています。

 ここらへんのつながりを忘れないことが大切だと思います。自分では悪気はないのに勘違いで矛盾する書類を作ってしまうと、無駄に疑われることにもつながりかねないので書類の整合性には注意したほうが良いと思いますよ。