2013年12月の記事一覧

通える距離 解釈の違い

 建設業許可申請の際に、新潟県では居所から職場まで毎日通えるかどうか住民票や賃貸借契約書で確認します。山形県など他県でも確認しています。

 この通える距離ですが、窓口によって変わってくるような感じです。だいたいどこの窓口でも1時間以内なら通えると判断してもらえるのでは?と思っていますが、1時間半と掛かるようだと窓口(担当者)によって対応が変わってくるのかな?と感じています。

 実際には通える距離なのに、担当者が認めてくれないので仕方なく、営業所の近くに部屋を借りて賃貸借契約書を用意したというような話も聞いたことがあります。

 社長さんが経営業務の管理責任者や専任技術者をする場合はあまり気にしなくて良い点でありますが、人を新たに雇って要件を満たすような場合は、正式に雇う前に事前に担当者に確認しておいたほうが良い点だと思います。


証明書に判子を押してもらえないと申請できないのか?

 経営業務の管理責任者証明書や実務経験の証明書には勤め先の判子を押して貰う必要があります。自社での経験であれば、自社の判子で済むわけですが、以前の職場ですと以前の職場の代表印を押してもらうことになります。

 割と起こりがちなのが、辞めるときに以前の職場との関係が悪くなっているので、判子を押してもらえない というようなことです。

 判子を押してもらえないと申請できないというような回答をしてしまう行政書士さんもいるようですが、実務経験証明書には、使用者の証明を得られない場合はその理由を書く欄もあり、判子をもらえないと申請できないというわけではありません。

 判子をもらえなくても、役所の担当の方に、経験があると認めていただき、書類を受け付けてもらえればOKなのです。認めてもらうためには判子を教えてもらえれば用意しなくても良い書類を用意しなければいけないこともありますが、判子を押してもらえないからダメというわけではないので、判子を押してもらえないから申請は無理だと諦めてしまっていた方は、諦めずにチャレンジしてみましょう!


個人事業主の支配人登記

 個人事業主の方で建設業許可を取りたいのだけれど、自分自身では必要な経営経験年数を満たしていなくても、支配人が必要な経営経験年数を満たしていれば許可の条件は満たせます。

 支配人というのは、事業主の営業上の代理人と考えてください。支配人がした営業上のことは事業主がしたのと同じですので、支配人がしたことは事業主の責任となります。支配人が事業主の知らない所で何か契約をしていたとしても、対外的には「オレはそんなこと聞いていない」というのは通用しませんので支配人を置く際はご注意ください。

 上記のようなことがありますので、いかに経験があっても赤の他人を支配人とするのはリスクがあるかと思います。例えば、お父さんが個人事業主として十分な経験を積んでいる方であるならば、お父さんに支配人なってもらうといったやり方がリスクが少なくて良いのではないでしょうか。

 支配人を置くには登記手続きを行いますし、支配人の登記事項証明書を許可申請の際に提出します。登記の手続きは法務局でやり方を教えてもらえるでしょうし、自分でやれない人は司法書士に頼んでやってもらうことになります。


実務経験証明書

 今朝の建設業許可に関するご相談で実務経験証明書の話が出ました。この実務経験証明書は建設業許可申請書類の中でも中々の曲者だと思ってます。

 専任技術者になれる条件として、10年以上の実務経験(所定の学科卒業で短縮あり)というものがありますが、条件を満たす際に実務経験が絡んでくるとこの実務経験証明書を提出します。

 この実務経験証明書ですが、都道府県によって書き方が変わってきますし、工事期間のカウントの仕方も変わります。特に工事期間のカウントなんて、場合によっては許可が取れるかどうかの瀬戸際にもなるのですが、そんなところでも申請地によって取り扱いが変わります。

 例えば、新潟県だと県の記載例によれば、工事期間として記入した最初の1月目はカウントしないというような取り扱いになっていますし、山形県だと1日でも工事すればそのつきは1ヶ月としてカウントして良いというような取り扱いになっています。

 ちなみに新潟県の取り扱いというか記載方法ですが、今年の4月から変わりました。でも、実際は従前の記載方法でも書類が受け付けられているケースがちらほら見られますので、ここら辺は同じ県内でも取り扱いが違うようです。「現在の記載例はこうなっているからこれに従ってください」というところもあれば、そうでないところもあるようです。

 このように実務経験証明書はどう書けばよいかは、申請地によって変わってきますので注意が必要です。


経営業務の補佐経験

 昨日、今日と建設業許可のご相談で補佐経験に触れたのでブログにも書いておこうと思います。

 一般に建設業許可を取るためには経営業務の管理責任者の条件を満たした人がいないといけませんが、この条件について、「自営業や会社の役員の経験が5年以上ないとだめだよ」みたいな知識が広く伝わっているようです。

 確かに自営業や会社役員の経験を使って申請することは多いのですが、実際はそれだけに限らず、事業主や役員を補佐していた経験で申請することもあります。許可を取ろうとする業種で補佐していた経験が7年以上あればそれで条件は満たせるのです。

 自営業者を補佐していた経験であれば、確定申告書で事業専従者の欄に名前があることで確認してもらえます。法人であれば、組織図、その他補佐していたことがわかる書面を提示します。

 ですが、法人の場合それなりに大きい会社でもないと組織図とかありませんし、補佐経験を確認出来るだけの十分な資料もないことの方が多いです。そこは役所の担当と協議していき何とかしていくしかありません。

 とりあえず補佐経験は経営経験ほどはっきりとこれで許可を取れます と言えるようなものでもないので、補佐経験を使って申請する前には役所の担当者との事前協議は必須だと思います。

 


営業所を移転したときの届け出

 建設業許可業者は営業所を移転した後、移転したということを届け出ないといけません。法人であれば、届出書に登記事項証明書もつけます。

 新潟県の場合は、新規の申請時に営業所調査依頼というものを行いますが、営業所が移転した場合もこの営業所調査依頼が必要になってきます。

 専任技術者などが新しい営業所にちゃんと通えるのかどうかや新しい営業所はしっかりとした権利に基づいた上でそこにあるのか?実際に営業しているのかを確認してもらうわけです(確認は基本的に書類審査で済みます)。許可を出した時はちゃんと営業していたようだが、移転後は実は実態がなかったでは許可を出した意味が無いので移転の際もチェックということになるだと思います。

 私は新規の申請は結構やっていますが、営業所の移転届ではそれほど経験がなく、今年初めてやらせていただきました。現在2件目が進行中ですが、「結構書類多いんですね」といった感じでお客様に言われました。確かに新潟県での営業所移転は用意するものがちょっと増えているので全国的に見て手間がかかる方なのかもしれません。


営業所調査

 新潟県知事許可申請の際、建設業許可申請書と合わせて、営業所調査依頼書も提出します。

 依頼書には、住民票、健康保険証など経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤性が確認できるものと営業所建物の登記事項証明書や賃貸借契約書など営業所建物を使用する権限があることがわかるもの、営業所の外観・内部の写真も添付します。

 写真は以前は一部の地域振興局でしか求めていませんでしたが、2013年の6月からは新潟県内すべての窓口で添付を求めているはずです。

 経営業務の管理責任者などの常勤性は許可の要件にも関わってくるものですから、事前に窓口に確認しておいたほうが良いですし、建物についても、例えば、賃貸借契約書の使用目的において、「住居のみに使用する」となってしまっている場合は、契約書上は営業所としての使用を認めていないのですから賃貸借契約書だけでは営業所確認の資料としては不十分と判断される可能性がありますので、事前に県側で求めている資料を揃えた上で、これで申請を受け付けてもらえるかの確認はしておいたほうが良いのではないかと思います。

 基本的に営業所の調査は書類上のみで行われます。役所の方が現地にまで訪ねてくることはまずありません。

 ちなみに山形県や福島県ではこういった基本的に営業所調査の書類は求めていません(ただしケースバイケースで求められることはありえます)

 富山県では営業所調査の書類はないのですが、実際に役所の方が営業所までやってきて、各種確認していきます。都道府県によって色々と取り扱いが違いますね。


経営業務の管理責任者や専任技術者の常勤性確認

 建設業許可の申請の際、経営業務の管理責任者や専任技術者は経験や資格を持っているかを確認しますが、常勤性も確認されます。常勤性というのは簡単に言うと、ちゃんとその会社で専属で働いているかどうかということです。

 新潟県の場合だと、
・住民票(ちゃんと通える所に住んでいるかを見る)
・賃貸借契約書(住民票が離れたところの場合、会社近くに住んでいて通うことができるかを見る)
・社会保険証(常勤の従業員なら基本的に被保険者になっているから)
・直近3ヶ月の出勤簿の写し(実際に常勤で出勤しているかを見る)

 などで確認します。住民票以外は、該当がある場合のみ提出となっています。

 以前は、社会保険に入っていなかったり、出勤簿もつけていない場合は、なければないで書類を受けてもらえたこともありましたが、最近は、ない場合は代わりのものを提出してください という方針に変わってきたと思います。つまり常勤性の確認が前より厳しくなったのでは? と感じています。

 社会保険証がなければ、建設国保の保険証や雇用保険者証を出す。作ったばかりで間もない会社の場合、出勤簿がなければ雇用契約書を出すなど、例示されているものがなければ、代わりのものを求められると考えておくほうが良さそうです。

 建設業許可の条件チェックでは、つい経験があるか?資格があるか?といった点にばかり注目しがちですが、常勤性の確認(申請する側から見れば、どう証明するか?)も忘れてはいけない点です。


身分証明書

 建設業許可申請の際、事業主の方や法人の役員の方の身分証明書を添付します。

 一般に身分証明書というと運転免許証や保険証を思い浮かべますが、建設業許可申請で添付が求められているのはこれらではないので注意が必要です。建設業許可申請で添付する身分証明書は、本籍地がある市町村にて発行してもらいます。身分証明書という書類がちゃんと存在していますので、それを取得します。どこの市町村でも戸籍や住民票が取れる窓口で取得できるはずなので詳しくは各市町村の窓口にご確認ください。

 代理で取得する場合は、委任状が必要ですが、市町村によっては請求書に委任状の欄もあり、そこにご本人に書いて押印して頂ければOKというところもある一方で、別途委任状も持っていかなければいけないというところもあります。取得しようとする市町村によって取り扱いに違いがありますので、代理で習得をする場合は事前に確認しておくのが良いですね。

 


登記されていないことの証明書

 建設業許可の申請にあたり、事業主や法人の役員などの登記されていないことの証明書を添付しないといけません。これがどのような書類かといいますと、簡単に言えば、この証明書に書かれている人は、判断能力が不足しているなどの事情で登記されている人達の中には見当たりませんでしたという書類です。

 この証明書は、各地の法務局・地方法務局で取得できますが、本局に限ります。例えば新潟なら新潟地方法務局で、山形なら山形地方法務局で取得できます。新潟の人が新潟でしか取れないわけではなく、山形など他の都道府県でも取れます。

 法務局まで近かったり、近くに行く用事があればよいですが、そうでない方でも、東京法務局後見登録課に郵送で請求することもできます。私は行政書士登録をする際に自分の証明書を郵送で請求しましたが、業務で取得する場合は、全て法務局まで行って取得しています。

 ご本人が行けなくても委任状があれば私でも取れますので、委任状を頂いた上で、取得してきています。委任状はチェックが厳しいところもありますが、新潟地方法務局の場合は、ここだけの話ですがそんなに厳しいことは言われないと思います。実印でなくても構いませんし、印鑑証明書の添付も必要ありません。