建設業許可関係手続きの知識の記事一覧

申請から許可証が出るまでの時間

 県知事許可申請の場合、建設業許可申請書を受け付けてもらってから許可が出るまでの標準の処理期間は新潟でも山形でも30日です。都道府県によっても違うのでしょうが、大体県知事許可なら30日というところが多いようです。

 30日というのはあくまで目安なので審査の途中でどこかで引っかかったりすると30日以上掛かることもありますが、特に何もなく提出後の審査がスムーズに進むとたいてい30日もかからないうちに許可が出ます。

 私のこれまでの経験からですが、新潟でも山形でも順調に行けば目安は20日(土日も含めてです)というふうに考えてます。もちろん20日より早くなったり、遅くなったりすることもがありますが、平均で見ると大体20日位で許可が出ます。許可が出て、県庁から各地の窓口に許可証が届き、窓口から申請者に連絡や郵送を行うので、手元に届くまでにタイムラグはありますが、許可日は申請日から20日位というケースが多いです。

 現在では、お客様にも、大体1ヶ月位掛かりますが、はやければ○日(申請日から20日後くらいの日付)頃には許可が出るはずです という風に伝えています。


法人なりの場合の建設業許可

 個人事業主として建設業許可を取得した方が、法人を設立する場合、法人としても新たに許可申請をする必要があります。たとえ実態として法人化しても中身が変わらないとしても、個人として取得した許可を法人が引き継ぐことはできません(ただし、新潟の場合許可番号は事前に引き継ぎたいことを伝えておけば引き継げます)。

 法人成りする場合、法人の建設業許可申請の際には個人事業の建設業許可の廃業届も合わせて提出します。これをやっておかないと、例えば個人と法人とで経営業務の管理責任者や専任の技術者にだぶりがあると新しい法人としての許可はおそらく出ません。

 ところで許可がないと500万円以上の工事を請け負えないわけですが、法人の新規申請と個人の廃業届を同時に出し、法人の許可が出るまでにどうしても500万円以上の工事の契約をしなければいけないということになったらどうすればよいのでしょうか?工事の契約ができないのでしょうか?

 この場合ですが、新規の申請と廃業届を出すときに個人事業の許可取消と新会社の許可を同時に行ってもらうようにしておくことで建設業許可の空白期間をなくすことが可能となっています。ですから、新会社の許可が出る前でも個人としてなら500万円以上の契約をしてもよいという状態にはできます。


建設業許可後の社会保険の加入指導

 本来であれば社会保険に加入していなければいけない会社が許可の申請時に加入していない場合、許可が出た後に書面で4ヶ月以内に社会保険の加入されるよう指導され、加入した場合は書面で報告することになっています。

 この指導の紙ですが、お客様のところに郵送されてきていました。どうして許可証と一緒に手渡ししないのだろう? と許可証の受け取りに行くたびに疑問だったのですが、先日、長岡の窓口から、行政書士が関与していても社会保険の指導の紙は本人に取りに来てもらっています ということを言われまして、この加入指導の書面、原則申請者に渡すことになっていて、新潟とかでは郵送してくれていたのか ということで疑問が解けました。多分、行政書士が関与していない場合は、長岡以外でも許可証の受け取り時に一緒に渡しているのでしょう。

 それでこの指導に従わなかった場合ですが、4ヶ月たっても報告がないままだと、それから1,2ヶ月間を置いて、また指導の紙が届きます(窓口によっては取りに行くことになるのかもしれません)。

 この2回目の指導の紙でも入らないと今度は年金事務所に連絡が行くことになります。

 この段階になっても許可が取り消しとかそういう話にはならないでしょうが、年金事務所の方から加入の指導が来ると思います。

 加入の指導に従わないでいた場合のリスクとしては、職権により強制的に加入手続きさせられた場合、過去2年の保険料をまとめて徴収される恐れがあります。 


建設業許可と社会保険

 2012年11月から建設業許可申請の際には社会保険と雇用保険の加入状況を所定の様式で報告するとともにその裏付け資料の提示を求められるようになりました。

 ですが、将来どうなるかはわかりませんが現時点では建設業許可の条件に社会保険の加入が挙げられているわけではありません。例えば法人ですと原則社会保険に強制加入なわけですが(一般従業員だけでなく社長も社会保険の加入対象者になるので法人は基本社会保険にはいらないといけないのです)、実際にはコストなどの事情があって社会保険に加入していない法人も存在します。そういった社会保険未加入の会社だからといって許可が出ないわけではありません。

 申請の際に、社会保険の加入状況を確認するわけですが。それはそれ、許可を出すかどうかはまた別の問題です。

 ですが、社会保険未加入でも許可が出るからといっても、入らないことで何もデメリットがないかといえばそういうわけではありません。社会保険未加入のまま許可を取るとどうなっていくのかなどはまた別の機会にお話しますね。


経営経験の確認資料として確定申告書を使う際の注意点

 建設業許可の条件の一つとして経営経験がありますが、個人事業主としての経験を確認する際、新潟や山形では確定申告書が5ないし7年分提出が求められます。

 経験が浅い時は確定申告書が5年分あるからOKみたいに簡単に考えたりしたこともありました。実際そういう簡単な考えで問題が表面化しない時もあるのですが、中にはちょっと困るケースが有ります。

 それは確定申告書に書いてある職業が、建設業だと読み取れないような時です。たとえば「リース業」みたいに書いてあるような場合です。工事現場のクレーンのオペレーター付きリースの場合は建設業に該当する可能性がありますが、ただクレーンをリースするだけだと建設業にはならない。この場合、「リース業」だけでは建設業を営んでいたことがわからないわけです。

 このような場合は、過去の請求書とかでちゃんと建設業やっていたということを証明していくことになるでしょうが、請求書が「人工×○円」みたいな書き方だったりとかで請求書でも建設業をやっていたことがはっきりと読み取れないようなときもあって、中々苦労したりすることもあります(この場合でもまだ取れる方法はあります)

 確定申告書を経営経験の確認資料として使う場合は、ただ年数分有ることを確認するだけでなく、建設業(許可を取りたい業種)をやっていたことがわかるかどうか、わからなければどうやって補足していくか まであらかじめ意識しておくとよいですね。


許可証の受け取り色々

 昨日、米沢で建設業許可申請をしてきたのですが、書類受付後に許可証の受け取りについて確認したら、米沢の窓口では、許可後の説明もさせていただくということもあって、行政書士が関与していても原則本人が窓口まで受け取りに行くことになっているそうです。

 前の時はどうだったのかちょっと記憶が曖昧ですが、確か窓口まで受け取りに行ったか、許可証を郵送してもらったような気が・・・

 ちなみに去年だと新庄では行政書士でも受け取りOKでしたし、三川だと郵送で許可証送ってくれます。

 この窓口ごとの対応の違いというのは新潟でも見られます。新潟や新発田では窓口まで受け取りに行きますが行政書士でも受け取りOK。長岡は代理申請していないと行政書士は受取不可。村上は許可申請者まで郵送。魚沼は行政書士が関与している場合は行政書士のところに許可証が届きました。

 このように色々なパターンが有ります。許可が出たらすぐにでも許可証を入手したいわけですが、実際に手元にどのようにして許可証が届くのかは、申請する窓口に確認するのが一番確実です。

 


職場との関係は良好に

 建設業許可申請の際、以前の勤め先から判子をもらう必要がある場面が出てくることがあります。これは人によって違いますが、前の会社での役員経験や実務経験により許可の条件をみたすような場合は、基本的に経験の証明書に前の会社から判子をもらってくることになります。

 こういうとき前の職場との関係が悪いと判子をもらえず苦労することがあります。判子をもらえないと申請できないというわけではありませんが、判子を押してもらえる時より苦労する傾向にあります。

 将来的に建設業界での独立を考えている方は、こういう判子の時もそうですし、独立後も仕事で協力してもらえることも有るはずなので職場との関係は良好であることに越したことはないと思います。


窓口や人が変われば対応も変わる

 建設業許可申請では、地域ごとに対応する窓口が変わります。例えば新潟市なら新潟地域振興局まで行くことになりますし、新発田市なら新発田地域振興局まで行くことになります。

 そして、建設業許可申請にあたっては、同じ新潟県内でも窓口ごとに求められる確認書類が変わってくることがあります。例えば、ある窓口では確定申告書の提示を求められたが、違う窓口では確定申告書の提示は必要ないと言われた といった具合です。

 私は新潟県内各地の申請を行いますが、この窓口ごとの対応の違いが結構クセモノでして、戸惑うことがあります。これに対する対応としては、やはり事前の打ち合わせをしっかりしていくということになるのだと思います。

 また、同じ窓口でも4月になると人事異動で新しい担当者の方に変わることがありますが、これによっても対応が変わることがあります。

 同じ条件の申請だったとしても、場所や時期が違えば、申請を受け付けてもらえない可能性もあるというのは少しおかしいような気もしますが、逆にある時点ではダメだった申請でも、今ならいける ということもありますので、そこはもう割り切ってやっていくしかないのかなと思います。


執行猶予中の役員がいる場合の建設業許可申請

 建設業許可の用件の一つとして、欠格要件に該当しないこと というものがあります。欠格要件の一つとして、 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わるか、刑の執行を受けることが無くなった日から5年経過していない者 というものがあります。許可を受けている法人の役員や個人事業主が禁錮以上の刑に処せられた場合は、建設業許可も取り消しとなります。

 ところで、刑の言い渡しを受けたが執行猶予がつく場合があります。このような場合はどうなるのでしょうか?

 この場合も、許可は取り消しになりますし、執行猶予中は欠格要件に該当したままです。ですから新規に建設業許可を申請したい法人さんに執行猶予期間中の役員がいると欠格要件に該当していますから許可は取れません。

 しかし、何事も無く執行猶予期間が明けた場合は、禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わるか、刑の執行を受けることが無くなった日から5年経過していない者 には該当しなくなります。執行猶予期間が明けてから5年経つまで待つ必要はなく、明けた時点で該当しなくなります

 これは、刑法27条にて、刑の執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う とあるように、執行猶予期間が明けてしまえば、そもそも刑の言渡し自体が効力を失ってしまうためです。

 インターネット上では、執行猶予期間が明けてから5年待たないと欠格要件から外れないとしているようなサイトも見受けられますが、実際は執行猶予が明けた時点で大丈夫です。ただし、他の欠格要件に該当していれば、もちろん許可は受けられませんのでご注意ください。


無事に建設業許可申請を受け付けてもらうコツ

 来週、米沢に新規の建設業許可申請をしに行く予定です。今回の申請もいつもどおり事前に窓口まで行って打ち合わせをしています。私の新発田のように近い窓口だと良いのですが、米沢のように片道2時間掛かるところだと打合せに行くだけでも大変です。

 ですが、この事前の打ち合わせというのは非常に大切だと思っています。申請本番に退出する書類に近い状態仕上げた下書きを持って行き、書類の記載方法に問題ないか、添付書類として今回のケースでは何をしておけばよいかを確認しておきます。

 これをちゃんとやっておかないと、いざ書類を持っていったものの書類を受け付けてもらえませんでした ということになりかねません。さらに悪いことに収入証紙9万円分買ってしまっていたりすると、県の証紙9万円分なんてそうそう使い道がないものを、いずれ申請に必要になる時まで保管しておくことになります・・・

 ですから大変でも、本番の申請前に基本的に一度担当窓口まで顔を出すようにしています。電話でも良いのかもしれませんが、電話だと中々伝わらないこともありますのでやはり一度顔を出したほうがいいのかなと思ってます。

 担当者との事前のしっかりとした打ち合わせが無事に許可申請を完了させる基本だと私は思ってます。