2013年12月の記事一覧

事業税の納税証明書

 知事許可の場合、建設業許可申請や決算変更届の際には事業税の納税証明書を添付します。仮に赤字の会社であっても添付しますが、まだ決算期を迎えていない会社の場合は新規の申請時は添付は不要ということになっています。

 この事業税の納税証明書ですが、新潟県の場合、各地域振興局の1Fにある県税部で入手できます。私はどこの地域振興局にも納税証明を取得できる窓口があるものだと思っていたのですが、魚沼地域振興局のように納税証明性を取得できる窓口がないところもあるので注意が必要です。

 取得には400円の県収入証紙が必要です。同じ建物内の売店で証紙が買えることが多いですが、村上地域振興局のように建物内に売店がないときは近くの銀行や信金で購入していきます。

 新潟県の納税証明書であれば、県内のどこの窓口でも取得が可能です。新発田の方が、新潟地域振興局の近くによったついでに新潟で納税証明を取るということも可能となっています。

 請求の際、代理人が取得する場合は委任状と印鑑証明書が必要ですが、法人の従業員が取得する場合は、代表社印が押印されていれば、従業員であることが分かる書類(保険証など)と運転免許証など身分を証明する書類を持っていけば取得できます。

 行政書士の場合も個人の実印や法人代表者印が押されていれば、委任状無しで取得できます。申請と同じ建物内で取れるケースが多いので、弊所の場合は、手続きご依頼の際は別途手数料をいただくことなく納税証明書の取得も代わりに行っています。

 


残高証明書

 建設業許可申請にあたり直近の貸借対照表で純資産が500万円以上ない場合、金融機関発行の残高証明書又は融資証明書を提出します。実際は残高証明書を提出するケースのほうが多いと思います。

 この残高証明書ですが金融機関によって違うので詳しくは窓口に確認していただきたいのですが、残高を500万円以上にしたその日のうちに500万円以上の残高証明書を取ることができません。500万円以上にした上で翌営業日以降に取得します。

 残高証明書さえ取得出来ましたら、お金はすぐに引き出してしまっても構いません。許可の審査中ずっと口座に入れて置かなければいけないものではありません。ですから残高証明書取得のために親族、知り合いから一時的にお金を借りたいという場合は、ここらへんの事情(借りるのはほんの数日で良いし、口座に入れるだけだから基本的に危険性もない)も説明されるとよろしいかと思います。

 残高証明書の取り扱い注意点としては、有効期限が有ることです。窓口によって違うので確認していただきたいのですが、新潟県だと2週間から1ヶ月、山形だと3ヶ月有効という窓口もあったと思います。

 あまりに早く取りすぎるとまた取り直しのおそれがあるので、資金繰りの都合などでどうしてもこの日でなければ残高証明が取れないといった事情がなければ、ある程度役所との打ち合わせが終わり、申請の目処が付いた段階での取得をおすすめします。


確定申告書の控えがない場合

 建設業許可申請において経営経験の証明書類として個人事業時代のものであれば確定申告書の控えがあるわけですが、確定申告書をなくしてしまった、あるいは郵送で申告したので税務署の受付印が押された控えをそもそももらっていないということがあります。このようなときはどう対応していけばよいでしょうか。

 私の過去の経験では、新潟でも山形でも税務署の受付印がない控えの場合、受付印がないからダメと言われたことはありません。ただ、受付印がないためそれを補完するために過去の請求書などを添付したことはあったかと思います。

 過去の確定申告に関するものが自分の手元に全くない場合は、管轄の税務署に開示請求することで、過去7年分(それより前だとおそらく残っていないと思います)は確定申告書の写しを入手することができるはずなので、これを利用すればよいかと思います。

 実際に依頼を受けた案件で開示請求をした事例はないのですが、必要になりそうだったので確認のために税務署に手続きについて確認したことはあります。もし、必要になりそうなときははやめに税務署の担当窓口に確認されることをおすすめします。請求書を出したからその場ですぐに開示してくれるというわけではなく、開示・不開示が決定するまで原則として30日以内ではありますがある程度の日数がかかります。


どうしようもないときは引っ越すのもありかもしれない

 何度も窓口の担当者と協議したけれども、申請を受け付けてくれない。

 そういう状況になったとき、実際に提案したことはない(そういう状況にならずに申請できている)のですが、選択肢の一つとして、引っ越して申請先の窓口を変えるというのもありかもしれません。

 同じ新潟県内でも取り扱い(というか審査が厳しい人、甘めな人がいると私は実感しています)が変わることはありますし、増して県外なら新潟県以上に変わることも有るでしょう。もちろん、引っ越す前に引越し先の窓口と事前に打ち合わせておかないといけませんが(引っ越してから申請受け付けられませんでしたでは話になりませんから)、どうしても建設業許可が欲しくて、そのためなら現場に通える範囲でなら営業所の移転もやむをえないとお考えでしたら、引っ越してから許可申請というのもありだと思います。

 ちなみに県をまたいだ移転だとまた戻るときに許可の取り直しとなりますが、同じ県内なら営業所の移設の届出ということでOKです。

 


建設業許可申請書の閲覧

 建設業許可申請の際に提出した申請書は、新潟県の場合ですと県庁の7Fにある新潟県土木部監理課建設業室内にてだれでも閲覧が可能となっています。午前中は9時半から正午まで、午後は1時から4時半までです。昨日、少し調べたいことがあり閲覧に行って来ました。

 申請の際に、書類の書き方についてあることを言われたので、他の申請ではどうなのだろうかと確認してみたのですが、窓口によっては取り扱いが違っていたようでした。こういう目的で閲覧するのもOKですし、申請のご依頼を頂いた際に、申請者の方が前に勤めていた会社がどのような状況だったか確認することもできます(前の会社の申請内容と矛盾するような書類は作れないですからね)。

 このように建設業許可申請書の閲覧は非常に便利なのですが、利用する方も多いので時間帯によっては席が埋まってしまっていることがあります(建設業許可業者のデータベースを作っているような業者さん関係の人が多いんじゃないかと思います)。近くにお住まいの方はいいですが、私のように行くのに1時間位掛かるという人は、早めに行って場所取りするほうが良いと思います。

 私の場合は、新潟の窓口に手続きに行った時についでに行くということが多いですね。


 


申請から許可証が出るまでの時間

 県知事許可申請の場合、建設業許可申請書を受け付けてもらってから許可が出るまでの標準の処理期間は新潟でも山形でも30日です。都道府県によっても違うのでしょうが、大体県知事許可なら30日というところが多いようです。

 30日というのはあくまで目安なので審査の途中でどこかで引っかかったりすると30日以上掛かることもありますが、特に何もなく提出後の審査がスムーズに進むとたいてい30日もかからないうちに許可が出ます。

 私のこれまでの経験からですが、新潟でも山形でも順調に行けば目安は20日(土日も含めてです)というふうに考えてます。もちろん20日より早くなったり、遅くなったりすることもがありますが、平均で見ると大体20日位で許可が出ます。許可が出て、県庁から各地の窓口に許可証が届き、窓口から申請者に連絡や郵送を行うので、手元に届くまでにタイムラグはありますが、許可日は申請日から20日位というケースが多いです。

 現在では、お客様にも、大体1ヶ月位掛かりますが、はやければ○日(申請日から20日後くらいの日付)頃には許可が出るはずです という風に伝えています。


法人なりの場合の建設業許可

 個人事業主として建設業許可を取得した方が、法人を設立する場合、法人としても新たに許可申請をする必要があります。たとえ実態として法人化しても中身が変わらないとしても、個人として取得した許可を法人が引き継ぐことはできません(ただし、新潟の場合許可番号は事前に引き継ぎたいことを伝えておけば引き継げます)。

 法人成りする場合、法人の建設業許可申請の際には個人事業の建設業許可の廃業届も合わせて提出します。これをやっておかないと、例えば個人と法人とで経営業務の管理責任者や専任の技術者にだぶりがあると新しい法人としての許可はおそらく出ません。

 ところで許可がないと500万円以上の工事を請け負えないわけですが、法人の新規申請と個人の廃業届を同時に出し、法人の許可が出るまでにどうしても500万円以上の工事の契約をしなければいけないということになったらどうすればよいのでしょうか?工事の契約ができないのでしょうか?

 この場合ですが、新規の申請と廃業届を出すときに個人事業の許可取消と新会社の許可を同時に行ってもらうようにしておくことで建設業許可の空白期間をなくすことが可能となっています。ですから、新会社の許可が出る前でも個人としてなら500万円以上の契約をしてもよいという状態にはできます。


社会保険労務士の資格を持っていてよかったと思うこと

 昨年の11月から建設業許可申請の際に社会保険の加入のチェックが始まったわけですが、そこから社会保険労務士の資格も持っていてよかったなと実感する機会が増えました。

 建設業許可窓口の人は建設業許可関係の手続きには詳しいですが、社会保険について必ずしも詳しいわけではありません。社会保険の加入状況の書面には各保険について 1(加入)、2(未加入 入らないといけない)、3(適用除外 保険に加入しなくて良い)の数字を書くのですが、本来であれば3で良いのに「ここは2ではないのですか?」と指摘されるようなことがあります。

 そんなときに「この会社はこうこうこうだから3ですね」とスラスラ返せるのはまさに社会保険労務士の資格を持っていたからこそだと思います。多分これが社労士の資格を持っていないと、社会保険の加入状況について非常に苦手意識を持ってしまっていたと思います。

 もちろん行政書士の業務としてだけでなく、社会保険労務士の資格本来の業務でも良い結果がだんだんですが出てきました。建設業許可申請と合わせて社会保険加入のご相談についても相談を受ける機会も増えてきました。こんなときにワンストップで対応できますし、社会保険に加入するとこれくら会社としての経費が増えますねぇということも話せたりできますので、やっぱ社労士の資格を取っておいてよかったなと思います。


建設業許可後の社会保険の加入指導

 本来であれば社会保険に加入していなければいけない会社が許可の申請時に加入していない場合、許可が出た後に書面で4ヶ月以内に社会保険の加入されるよう指導され、加入した場合は書面で報告することになっています。

 この指導の紙ですが、お客様のところに郵送されてきていました。どうして許可証と一緒に手渡ししないのだろう? と許可証の受け取りに行くたびに疑問だったのですが、先日、長岡の窓口から、行政書士が関与していても社会保険の指導の紙は本人に取りに来てもらっています ということを言われまして、この加入指導の書面、原則申請者に渡すことになっていて、新潟とかでは郵送してくれていたのか ということで疑問が解けました。多分、行政書士が関与していない場合は、長岡以外でも許可証の受け取り時に一緒に渡しているのでしょう。

 それでこの指導に従わなかった場合ですが、4ヶ月たっても報告がないままだと、それから1,2ヶ月間を置いて、また指導の紙が届きます(窓口によっては取りに行くことになるのかもしれません)。

 この2回目の指導の紙でも入らないと今度は年金事務所に連絡が行くことになります。

 この段階になっても許可が取り消しとかそういう話にはならないでしょうが、年金事務所の方から加入の指導が来ると思います。

 加入の指導に従わないでいた場合のリスクとしては、職権により強制的に加入手続きさせられた場合、過去2年の保険料をまとめて徴収される恐れがあります。 


建設業許可と社会保険

 2012年11月から建設業許可申請の際には社会保険と雇用保険の加入状況を所定の様式で報告するとともにその裏付け資料の提示を求められるようになりました。

 ですが、将来どうなるかはわかりませんが現時点では建設業許可の条件に社会保険の加入が挙げられているわけではありません。例えば法人ですと原則社会保険に強制加入なわけですが(一般従業員だけでなく社長も社会保険の加入対象者になるので法人は基本社会保険にはいらないといけないのです)、実際にはコストなどの事情があって社会保険に加入していない法人も存在します。そういった社会保険未加入の会社だからといって許可が出ないわけではありません。

 申請の際に、社会保険の加入状況を確認するわけですが。それはそれ、許可を出すかどうかはまた別の問題です。

 ですが、社会保険未加入でも許可が出るからといっても、入らないことで何もデメリットがないかといえばそういうわけではありません。社会保険未加入のまま許可を取るとどうなっていくのかなどはまた別の機会にお話しますね。