建設業許可関係手続きの知識の記事一覧

白色申告の場合の貸借対照表

 個人事業主の方が建設業許可申請をする場合、貸借対照表と損益計算書を提出します。損益計算書は確定申告書のため事業主の方が全員がお作りになっているかと思いますので、それをもとに建設業法様式に落としこんでいけばよいの分けですが、貸借対照表は白色申告で作っていないという方もいらっしゃるかと思います。

 このような場合でも、建設業許可申請にあたり貸借対照表は作らないといけません。貸借対照表は簡単にいえば、個人事業主の場合、ある年の12月31日にどれだけの資産や負債があったかを表にしたものです。

 これまで作ったことがなくても通帳を見れば、預貯金額はわかると思いますし、確定申告書を見れば、固定資産の残額も把握できるかと思います。あとは売掛金や借金、買掛金の額なども帳簿を見れば把握できると思います。

 これまで作ったことがない場合、1円も事実と相違がないものを作るのは正直難しいかと思いますが、最終的には書類上の辻褄があっていれば役所としては受け付けてくれるはずですので、これまで作ったことがない方でも何とかなります。


建設業許可の更新期限 いつまでに手続きすればよいのかや過ぎてしまった場合の話

 今年の4月で私が建設業許可申請業務を始めてから満5年です。建設業許可の有効期間は5年ですので最初に申請させていただいたお客様が更新を迎えるということでもあります。担当させていただくかはまだわかりませんが、今年からだんだんと更新のご依頼も増えていくのかなと思っています。更新のご依頼数に負けないように新規の建設業許可申請も頑張っていきます。

 ところで建設業許可の更新ですが、これを忘れてしまい期限を過ぎてしまうと建設業許可は失効してしまいます。また建設業許可が必要になった場合は、新規に許可申請をし直す必要があります。建設業許可番号も新しい番号で出直しです。

 許可を失効しないためには期限までに申請しないといけません。許可が出た時にもらった通知書(許可証)には許可の有効期間と下の方に小さな字で何日までに更新の申請をしてくださいということが書かれているはずです。その日付は許可が満了する日の1ヶ月前のはずです。

 注意点としては、許可申請の最終期限は小さな字で書かれている日付ではなく、あくまで許可が満了する日です。許可が満了する日までに更新申請を間に合わせることができ、無事に更新の審査が完了すればちゃんと許可は継続します。

 ですが、許可更新の審査にも日数がかかりますので、ぎりぎりの申請では、許可の満了日に新しい許可証が届きません。取引先から新しい許可証の写しを求められてもすぐには出せません。そういったことがないようにするには、許可満了日の1ヶ月前までの申請が望ましいということになりますね。
 


登記上の本店と実際の本店(本社)が違う場合の申請

 社長さんの自宅を登記上の本店としているけれど、実際に主に仕事をしているのは違う場所というケースは結構有ります。このようなケースにおいて建設業許可申請する場合、建設業の営業所は登記上の本店とすべきでしょうか?実際に仕事をしている場所でしょうか?

 このようなケースにおいては基本的に実際に仕事をしているところを建設業の営業所として申請すると考えてください。登記の有無にかかわらず、実際に建設業をやっているところが建設業の営業所となります。申請にあたり、実際に仕事をしている場所への本店登記は特に必要とはされていません。

 ちなみに書類を作る際は、私は申請者の所在地は実際に仕事をしている場所のほか、登記上の本店所在地も( )書きしています。

 
 


人工(人夫)出しは建設業じゃないのか?

 ある案件で経営経験の証明として請求書を提示したのですが、そこには工事であるとかは書かれておらず、人工○人×単価○円=△円  みたいな書き方だったので、これは建設業ではないのではないかみたいなことを言われたことがあります。

 そもそも現場で作業する人を派遣することは法律上やってはいけないことなのですが、現実には職人の方を応援に行かせたりして、上記のような請求書をの書き方をしているケースはいくつもあると思います。

 建設業とは建設工事を請け負って営業することであり、労働者の派遣は請負ではないから人工出しは建設業じゃないというような見解も聞かれますが、私は、実態で判断するべきだと思っています。

 いわゆる人工出しであっても、請負的な要素があるならそれは請負工事だと解釈して良いと思いますし、契約というのは両者の自由ですから請負の報酬を 人工○人×単価○円=△円 みたいな形で決めるのも別に自由だと思います。

 まぁ、それでも今後許可を取ろうと思っているような方はできれば一目見てこれは建設業の請求書なんだなとわかるような形で残しておかれる方がよいのかなとは思います。


許可がないのに500万円以上の工事をやってしまった場合

 建設業許可申請の際には、工事経歴書といって、許可申請する年の前年(前期)に行った許可業種に係る工事を書く書類があります。

 この工事経歴書の記載ポイントはいくつかありますが、今回はその工事経歴書に500万円以上の工事が書かれていた場合の対応です。

 許可がないと500万円以上の工事をやってはいけないことになっていますので、許可を取る前なのに500万円以上の工事経歴が出てくるというのは本来はあってはいけないことなわけです。かと言って、500万円以上の工事があったから許可は駄目だ というようにはおそらくならないはずです。

 過去にあったケースでは法律で定められた以上の金額の工事を請け負ってしまったことについての始末書を書くことで許可の申請を受け付けてもらったことがあります。故意に500万円以上の工事を何件も請け負っていたというケースではまた取り扱いが変わってくるかもしれませんが、金額の制限がわからず、法律を破るつもりはなかったのだけど、1件請け負ってしまっていた というようなケースなら始末書で多分大丈夫だと思います。
 


矛盾のない書類を作成しましょう

 建設業関係の書類を作る時ですが、各書類は独立しているわけではなく、連動していることを忘れないようにしてください。書類間で矛盾があると、指摘されて書類を受け付けてもらえません(担当者によっては見落とすことも有るみたいですが)。

 たとえば、工事経歴書の工事金額、直前3年間の工事金額の書類は数字が連動していますし、直前3年間の工事金額の合計額は財務諸表の損益計算書と連動しています。損益計算書は貸借対照表、株主資本変動計算書と連動しています。

 他にも経営業務の管理責任者証明書や実務経験証明書は、略歴書などと連動しています。

 ここらへんのつながりを忘れないことが大切だと思います。自分では悪気はないのに勘違いで矛盾する書類を作ってしまうと、無駄に疑われることにもつながりかねないので書類の整合性には注意したほうが良いと思いますよ。


通える距離 解釈の違い

 建設業許可申請の際に、新潟県では居所から職場まで毎日通えるかどうか住民票や賃貸借契約書で確認します。山形県など他県でも確認しています。

 この通える距離ですが、窓口によって変わってくるような感じです。だいたいどこの窓口でも1時間以内なら通えると判断してもらえるのでは?と思っていますが、1時間半と掛かるようだと窓口(担当者)によって対応が変わってくるのかな?と感じています。

 実際には通える距離なのに、担当者が認めてくれないので仕方なく、営業所の近くに部屋を借りて賃貸借契約書を用意したというような話も聞いたことがあります。

 社長さんが経営業務の管理責任者や専任技術者をする場合はあまり気にしなくて良い点でありますが、人を新たに雇って要件を満たすような場合は、正式に雇う前に事前に担当者に確認しておいたほうが良い点だと思います。


証明書に判子を押してもらえないと申請できないのか?

 経営業務の管理責任者証明書や実務経験の証明書には勤め先の判子を押して貰う必要があります。自社での経験であれば、自社の判子で済むわけですが、以前の職場ですと以前の職場の代表印を押してもらうことになります。

 割と起こりがちなのが、辞めるときに以前の職場との関係が悪くなっているので、判子を押してもらえない というようなことです。

 判子を押してもらえないと申請できないというような回答をしてしまう行政書士さんもいるようですが、実務経験証明書には、使用者の証明を得られない場合はその理由を書く欄もあり、判子をもらえないと申請できないというわけではありません。

 判子をもらえなくても、役所の担当の方に、経験があると認めていただき、書類を受け付けてもらえればOKなのです。認めてもらうためには判子を教えてもらえれば用意しなくても良い書類を用意しなければいけないこともありますが、判子を押してもらえないからダメというわけではないので、判子を押してもらえないから申請は無理だと諦めてしまっていた方は、諦めずにチャレンジしてみましょう!


個人事業主の支配人登記

 個人事業主の方で建設業許可を取りたいのだけれど、自分自身では必要な経営経験年数を満たしていなくても、支配人が必要な経営経験年数を満たしていれば許可の条件は満たせます。

 支配人というのは、事業主の営業上の代理人と考えてください。支配人がした営業上のことは事業主がしたのと同じですので、支配人がしたことは事業主の責任となります。支配人が事業主の知らない所で何か契約をしていたとしても、対外的には「オレはそんなこと聞いていない」というのは通用しませんので支配人を置く際はご注意ください。

 上記のようなことがありますので、いかに経験があっても赤の他人を支配人とするのはリスクがあるかと思います。例えば、お父さんが個人事業主として十分な経験を積んでいる方であるならば、お父さんに支配人なってもらうといったやり方がリスクが少なくて良いのではないでしょうか。

 支配人を置くには登記手続きを行いますし、支配人の登記事項証明書を許可申請の際に提出します。登記の手続きは法務局でやり方を教えてもらえるでしょうし、自分でやれない人は司法書士に頼んでやってもらうことになります。


実務経験証明書

 今朝の建設業許可に関するご相談で実務経験証明書の話が出ました。この実務経験証明書は建設業許可申請書類の中でも中々の曲者だと思ってます。

 専任技術者になれる条件として、10年以上の実務経験(所定の学科卒業で短縮あり)というものがありますが、条件を満たす際に実務経験が絡んでくるとこの実務経験証明書を提出します。

 この実務経験証明書ですが、都道府県によって書き方が変わってきますし、工事期間のカウントの仕方も変わります。特に工事期間のカウントなんて、場合によっては許可が取れるかどうかの瀬戸際にもなるのですが、そんなところでも申請地によって取り扱いが変わります。

 例えば、新潟県だと県の記載例によれば、工事期間として記入した最初の1月目はカウントしないというような取り扱いになっていますし、山形県だと1日でも工事すればそのつきは1ヶ月としてカウントして良いというような取り扱いになっています。

 ちなみに新潟県の取り扱いというか記載方法ですが、今年の4月から変わりました。でも、実際は従前の記載方法でも書類が受け付けられているケースがちらほら見られますので、ここら辺は同じ県内でも取り扱いが違うようです。「現在の記載例はこうなっているからこれに従ってください」というところもあれば、そうでないところもあるようです。

 このように実務経験証明書はどう書けばよいかは、申請地によって変わってきますので注意が必要です。